漫画【CONQUEST】本編が完結したのでキャラの名前の由来や裏設定などをまとめて放出したいと思います!
ルイス・ミハイル
意味のある名前にしたくて結構悩んだお方。「ルイス」は宣教師ルイス・フロイスから、「ミハイル」は大天使ミカエル(悪魔と戦う天使であり天軍長)から取りました。マグラがサタン・悪魔を象徴するキャラなので、名前も彼と対比させています。ルイスはキリストを象徴するキャラクターとして描いており、作者がこれまで神様・主を信じて生きてくる中で感じたその姿を重ねて描いています。第一部の初回登場時(上の画像)は髪の毛サッパリで短かったのに、描いてるうちに伸びてしまい、第三部の決闘時は後ろがフサフサになってました。作中ではそこまでに一週間くらいしか経ってないはずなんですがね…?
ミリア・ヒューイット
「ミリア」はぱっと思いついて決めました。「ヒューイット」は外国人の名前リスト見ながらカッコよさそうなのを選びました。聖書に「ミリアム」っていう名前似てる人(※紅海割ったモーセの姉)が出てくるけど特に関係はありません。ミリアはキリストを信じて従う人を象徴するキャラクターです。作者自身がキリストの前でこうありたいという理想の姿を重ねて描いてるキャラクターでもあります。作者が基本的に女性キャラを描くのが苦手なので作画の際はいつも後回しになってました(ごめん)。ミリアも初期の頃は前髪がバサバサしてましたが最後はサラサラになってました。これは作者の技量が上がったためだと思いたい。お団子ヘアをどうやってまとめてるか分からないですが、ピンとかで留めてたらマグラに掴まれた時あんなきれいにほどけないと思うのでピンは使ってないかも知れないです。だとしてもお団子ほどけてあんなストレートにはならんと思いますが。
ディック・レヴィン
「ディック」という名前はシナリオ(← セリフだけを文字で書き起こしたもの)の段階で決めたけど、その時点で何となくキャラクターのイメージは出来ていた気がします。「レヴィン」は外国人の名前リスト見ながら選んで決めました。最初は「犬に吠えられて転ぶ」設定しかなかったのに作者がいじりまくってどんどん残念になってしまった残念な男です。作者に愛されてる証拠だと思ってください。ディック&ビリーもキリストを信じて従う人たちを象徴的に描いてるキャラクターです。ところで国衛隊の隊服のデザイン、設定画でいちおう決めてたのですが、細かい部分はなんとなく描いてるうちに変わっていて、改めて設定画見たら「違うやん!!」となった部分がいくつかありました。剣とかベルトとかソードホルダーとかあのごちゃごちゃした辺りは、なんか変わってます。言わなきゃ気づかないと思うのでもう修正はしません。
ビリー・フランク
ビリーの名前もディック同様、外国人の名前リスト見ながら良さそうなのを選んで決めました。ディックはシナリオ段階でキャライメージがだいぶ決まってて、初期のキャラデザと今の姿がそんなに変わらないけど、ビリーはあまりイメージが決まってなくて、初期のキャラデザではセンター分けの黒髪パーマ姿でした(見たい方はこちら)。そばかすだけが今のビリーに引き継がれました。髪型が聖書学習まんがの天使ちゃんに似てしまった。ちなみに、ルイス・ミリア・ディックは隊服の襟を立てているんですが、ビリーは少し折ってるのがポイントです。ディック・ビリーは第一部〜第三部でそこまで描き方変わらなかった気がします。若干ビリーの髪の先端が丸くなったかも。二人とも登場回数そんなに多くなくてたくさん描かなかったからかも知れないですね。ビリーなんて第三部で2回しかセリフなかったし。
マグラ・ベルゼス
この人も意味のある名前にしたくて色々考えました。「蜘蛛」を名前に入れたくて調べたんですが、マレー語で蜘蛛を「マクラ」というらしく、ちょっといじって「マグラ」になりました。「ベルゼス」は悪魔ベルゼブブから一部取りました。マグラはサタン・悪魔を象徴するキャラであり、天使ミカエルの名前を付けたルイス隊長と対比させています。ちなみに「マグラ」のイントネーションは「頭高」(=「明治」「神戸」と同じ)ではなく「平板」(=「平和」「名倉」と同じ)です。作者の周りでは頭高が多数…というか私以外に平板の人を見つけられなかったのでみんな頭高だと思ってるかも知れませんが作者の脳内発音は「平板」なので「平板」です。初期のマグラは髪の毛が少しぺったりしてましたが、描くにつれて徐々に癖毛が強くなっていきました。マグラの棒が気になる方がわりといた気がしますが、多分竹串くらいの太さのしっかりした棒です。第一部の最後の方でマグラが大口開けて笑ってても落ちなかった謎の棒。噛んでたら落ち着くのかも知れません。第三部でマグラが暴走したのはこの棒がリミッターになってたからではありません。咥えたまま戦ってたけど転んだりぶつかったりしたら刺さって危険だと思う。
グスコー・ヘイズ
何で「グスコー」にしたのか全然思い出せません(おい)。「ヘイズ」は外国人の名前リスト見て決めようとしたけど結局ピンとくるのなくて自分で決めた気がします。ちなみにシナリオ時点では「〜っす」という口癖の頭悪そうなキャラだったけどディックと被るのもあり変えました。この人も描き方があまり変わらなかった気がします。本編最後の方で蜘蛛に噛まれたマグラを一瞬で見捨てるシーンがありますが、このシーンはルイス達の絆と対比させて描いています。実はコンクエのシナリオの詳細が決まる前から、悪役が最後に毒蜘蛛に噛まれて倒れ、主人公はそれを救おうとし、そして悪役の手下はすぐに見捨てるという流れが浮かんでいました。最初のぼんやりした構想では、悪役はどこかの国の悪い大臣、主人公は放浪の旅人みたいな設定だった気がする。
スティヴン医師
「スティヴン」という名前は特に悩まずすぐ決まったと思います。ファミリーネームがスティヴン、ファーストネームは決めてません。実は過去の隣国との争いの時に前任の隊長の命を救うことができず、その無念さもあってルイスが死の谷から戻った後はマグラに反逆者扱いされる危険も顧みずに彼を助けた、という裏設定があります。二度目に谷から戻ったルイスから受け取った花の中に種を見つけて取っておき、後でルイスに渡したのもスティヴン医師です。その時のルイスは恐らく瀕死状態で種に気づく余裕もなかったでしょうからね…
国衛隊
名前にめちゃくちゃ悩んだ部隊でした。最後まで決まらなかった気がします。初めは〇〇部隊(〇〇は横文字)という名前にしようと思って色々考えたけど結局しっくりくるものが見つからず今の名前になりました。紋章には、かつて国を救った英雄が持ち帰ったという死の谷の花の姿があしらわれています。この部隊には特に聖書と絡めた設定はないですが、「プロニア」という国名や、国が死の谷の「東」に位置するという設定には意味があります。深すぎるのでこの場では明かしませんがもし気になったら作者に聞いてください。ちなみに第三部で舞台になってる決闘場は国衛隊の隊舎に併設して建てられていて、第二部の最終コマでちらっと全容が出てきています(決闘場の右側にくっついて建ってるのが隊舎で、第一部と第三部ラストで出てきた中庭も見えています)。ところで決闘はマグラルールで無観客試合になったけど、実際は「観客なんぞ描いてられるか!!」という作者の事情もあったりしました。
警護隊
作中ではマグラのせいで悪の組織と化していますが、もともとは国の治安維持部隊です。剣に巻き付く蛇が紋章となっていますが、蛇は聖書でサタンを象徴するものなので、サタンを象徴するキャラ・マグラが所属する警護隊の紋章にしました。ちなみに、サタン・ルシファーはもともと天使が堕落した姿で、堕落する前は警護隊長を務めるルシエルという天使長でした。マグラを「警護隊長」にした理由はそこあります。作中では隊員としてグスコーしか出てこず、警護隊についてほとんど詳細が描かれませんでしたが、実際あまり決めてませんでした(おい)。第一部でマグラが蜘蛛を育てている怪しい部屋は恐らく警護隊長の部屋で、多分隊員が集まる場所も別にあり、隊員もたくさんいるはずです。隊服の襟を描くのがめちゃくちゃ面倒で(そして難しい)こんなデザインにしたことを若干後悔したくらいなので、他の隊員を出さなくて良かったです。
死に打ち勝った者
物語の中で鍵となる、死の谷に咲く伝説の花。初期段階から青い花のイメージがあり、リンドウをモチーフにして描きました(少しユリ要素も加えています)。「死に打ち勝った者」という名は聖書からきており、キリストを指す言葉です。「死に打ち勝つ」という表現を英語では “Conquer the Death” というらしく、そこから【CONQUEST】という作品タイトルが生まれました。「勝利」「克服」という意味です。花のモチーフとしてリンドウを選んだのは直感だったのですが、本編を最後まで描き終えてからその花言葉を初めて調べ(※あとがきに経緯を書きましたが、教会メンバーに訊かれて調べたのであり、自分では花言葉のことを考えもしなかった)、それが「勝利」「正義感」だったことにめちゃくちゃビビりました。神様が最初から共にされていたのを感じました。ちなみに、花の<種>は画像の左真ん中あたり、花でも蕾でもないユリの種みたいな形のやつがそれです。谷で育った花しか解毒の効能がないらしい(ルイスさん談)ですが、生き物が生育環境に依存して特別な物質を持つようになることは実際あることです。例えばヤドクガエルも自然の生育環境で摂取する餌から毒を体内に蓄えているらしく、人工飼育下では毒を持ちません。
構成について
今作、実はこのように冒頭にも最後にも花が出てきています。花で始まり花で終わるような構成にしていました。光のぽわぽわした演出も合わせています。冒頭の花は伝説の中の神秘的な(手が届かなさそうな)存在として、最後の花は植木鉢に植えられて身近にある存在として描きました。夢や幻のような存在が今はすごく近くにある、そんな感覚を表現したかったです。よく見ると冒頭ページの花は花びらがちょっと丸いですが、最後は何だか尖ってしまいましたね…
以上、【裏】設定集でした。お楽しみ頂けたでしょうか。
現時点で書こうと思っていたものは全部書いたんですが、何か思い出したらまた追記するかも知れません。
こういうのって構想受けたりする制作の初期段階で考えるから、その時から少しずつ記事としてまとめておけば良かったなーと感じました(メモしたものはあったんですが)。制作進めながら書き溜めていって最後に公開するのが良いかもですね。
2023年7月 MiK
【CONQUEST】第一部・第二部・第三部・外伝
コンクエらくがきまとめ①・②・③・④・⑤
コンクエイラスト vol.1・vol.2
コンクエ設定集