漫画の背景制作にAIを使ってみた

キリスト教福音宣教教会のMiKです!

AIがどんどん発展していてすごいですね。
最近、Nano Banaba ProというAIで漫画が生成できる、というので話題になってました。

AIには抵抗ある人もまだまだいるし(AIの学習には既存作品などが使われており、それはどこかの誰かの技術や経験を学習したものだからという理由)、法の整備も必要だなーとは思いますが、便利なツールだしどんどん使ったらいいんじゃないかな?というのが私の意見です。私も最初はちょっとAIに抵抗あったんですけどね、でも使ってみると便利だし、絵心ある人のほうが感覚があるので上手く使いこなせるっぽいですよ。

 

で、実は今回描いた漫画「イビトの乾パン」には、背景制作にAIを使用しました。
背景まるっとAIというわけではなく、背景素材をAIに作ってもらった感じです。

もともとAI使うつもりはなかったんですが、体調崩してロクに絵が描けなくなってしまったので、その中で何とか制作を進めるために使い始めたのがきっかけでした。

前にもどこかで書いた気がしますが、私は背景描くのが大嫌いなんですよね。キャラクターだけ描いていたい人です。今回背景にAI使ってみて味をしめたので、今後も利用するつもりです。

 

今回使ったAIは主に3つです。
全部無料プランで使っているので画像生成回数には制限があります(カッコ内)。

チャットGPT (3回/日)
Copilot (15回/日)
Gemini(Nano Banaba)(100回/日)

私は漫画を最終的に本にして販売したりするので、生成した画像の商用利用が可能かどうかが重要になってきます。
無料版の規約ではどれも生成画像の商用利用は禁止されておらず、ユーザーの自己責任ということになっています(チャットGPTはOpenAIの利用規約に従えば商用利用可能)。例えば既存の作品と似たようなものが生成され、それを商用利用すると著作権問題が発生したりします。

私は今回、自分で描いた下描き(商用フリーの写真や自分で撮った写真などを資料にして描いたもの)を使ってAIに画像を生成させました。この使い方ならかなり安全性が高いと思われます。

 

実際使ってみたところ、チャットGPTは生成に時間かかるし、無料で生成できる回数も少ないのであまり役に立ちませんでした。

Geminiは複数の画像を組み合わせて生成できたり、生成が他のAIに比べて早かったりするんですが、私の指示(プロンプト)が悪いのか何なのか、修正しようとしても全く同じ画像が何度も生成されたり、ようやく修正できても別の指示をすると修正前の画像に戻ったりして、イライラすることが多かったです汗
無料で100回生成できても、これじゃなぁ…という印象でした。(あとGeminiは無料プランの場合、右下にAI画像だと分かる「透かし」が入ります。私の使い方では特に困らないですが)

そういうわけで、私の中で今のところ一番優秀なのはCopilotくんです。

 

実際どんな風に使ったかというと、

 

下描きの画像をもとにAIに線画を生成させる
  ↓
細かい修正やトーン・ベタ仕上げは自分でやる

 

こんな感じです。トーンベタで仕上げた画像も生成できると思うんですが、AIの癖が出るのが嫌だし、私はこだわりが強い人なので仕上げは自分でやった方がいいと思い、AIに助けてもらうのは線画までにしました。

ちなみに漫画はクリスタで制作しており、AI生成画像はクリスタでモノクロに変換して使用しました。

 

では実際に生成した画像をいくつかご紹介します。
まず、漫画の冒頭に出てくるイビト城です。城なんて毎回描いてられないのでAIに非常に助けられました。
 

下描き(ラフ)

 

この下描きを線画にして、とCopilotくんに投げた結果、
 

Copilot

 

めっちゃいい感じに生成してくれました!ハレルヤ。
 

細かい部分を修正し、トーン・ベタで仕上げ

 

Copilotで線画を作らせると、人工物はかなりきれいに作ってくれる印象です。ただ、まっすぐな線に見えて実は歪んでたり、よく見るとパース狂ってたりするんですが。あと、同じものを作ろうとしても、「似てるけどちょっと違うもの」が生成されてしまい、全く同じものを生成するのは難しいですね。
 

Copilot

 

こちらは建物を別の角度にしようとした結果なんですが、窓の装飾が違った形になってしまい、自力で修正しました汗
 

窓を修正して仕上げたコマ

 

また、草木などの自然物はAIの癖が出やすいので、自分で描くかクリスタの素材使った方がいいと感じました。 

あと、一つの線画をつくるのに、一つのチャットを使った方がいいです。
同じチャットで建物の角度を変えようとしましたが、全然上手くいかず、新規のチャットをつくってそこでやった方が上手くいくことが多かったです。

なので、漫画制作中は「〇〇の線画作成」という名前のチャットが大量に生み出されました。笑

 

 

Geminiの画像生成Nano Bananaは、生成するたびに細かいところが変わっていくのが改善されていて、あまり生成による変化が生じなくなっています(それでも繰り返すと少しずつ変わっていきます)。ただ前述の通り、あまり思う通りに生成してくれず、自分で描いたほうがマシ、となることも多々…

でも複数の画像を組み合わせて画像を生成できるので、今回イビト城と噴水を組合せた画像を作るところに使いました。
 

 

さっきのイビト城(Copilot画像)と噴水(自分で描いたもの)を組み合わせ、「城の前に噴水を配置してください。噴水の周りは芝が丸く刈られています。噴水と城は左右対称にしてください」と指示して生成したところ、
 

Gemini

 

塔が増えたり屋根の上に余計なものが生まれたりしてますが、いい感じに配置してくれました。
Geminiは生成でイライラすることが多いですが(苦笑)、粘り強く頑張ったところ角度を変えた画像も生成できました。
 

Gemini

 


でもこれは、頑張って何度も生成しているうちに建物の細部が変わってしまったのでボツ。

AIって「何でもできる!」みたいに書かれたりしてますが、使ってみて全然そんなことないと思いますよ。何でもできそうに書かれていても、その裏にものすごい数のボツ画像が積み重なってるんじゃないかと予想します(有料版は多分もっと性能いいとは思いますが)。

 

あと、時にはどうしても下描きからいい感じに線画を作ってくれないことがあります。
 

下描き

 

Copilot

 

こちらは、ナターシャの家の下描きからCopilotに線画を作らせた結果。
線が真っ直ぐじゃなく、複数の線が重なってるし、手描きっぽい感じで、線画として使うには微妙…

 

そんなときは、一度立体で生成して、それを線画にすると上手くいきました。
さっきの下描きから「写真っぽい画像を作って」と指示します。

 

Gemini

 

Copilotで線画化

 

この線画に手を加えて完成したのが下のコマ。
 

植物系は全部手描き&クリスタの素材

 

 

AIもどんどん進化していっているので、今後もっと性能がいいものが出てくると思いますが、いったん現時点(2025年12月時点)で私が使ってみた感触や実際に使ったやり方をまとめました。また新しいのが出てきたらアップデートするかもです。

今後もAIにはお世話になりたいと思います。

 

2025年12月 MiK

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