「チキュリア」制作過程の記録

 

こんにちは、キリスト教福音宣教会のMiKです^^

今回描いた漫画「チキュリア」の制作過程を記録しておこうと思います!
(※これ読む前に漫画を読んでくださいね、ネタバレするので笑)

 

まず、私がどうやって漫画の描き方を研究してきたかというと、

漫画雑誌(主にジャ〇プ)の漫画賞募集ページとかに、
編集者やプロの漫画家さんによる漫画の描き方講座みたいのが1〜数ページくらい、たまにあったので、
そういうのをかき集めて勉強し、あとは漫画を読みまくって研究していました。笑

つまり、特に漫画学校とか行ってたわけではなく、独学です。
(なので、我流の部分も多いと思うので、参考にはならないかも知れませんw)

 

あ、あとは、高校の時にジャ〇プで特別賞もらってから、
編集者の方に何度か漫画を送って見てもらったのですが、
そこでもアドバイスをもらいました。

 

一番言われたのは「読者の立場で考える」こと。

漫画って読者がいてこそなので、
独りよがり、自己満足で終わってしまったらいけないんですよね。

 

でも、これは世の中の漫画の観点であって、
神様の中で漫画を描く場合は「読者中心」ではなく「神様中心」なので、
どういう心で漫画を描くか、どういう思いを込めるか、
というのが重要ポイントになるなと思います。

 

とはいえ、やはり人に読んでもらうものでもあるので、
「読者の立場で考える」ことも、とても重要だと思います。

ちなみに私は、言っておきながらちゃんとできている自信はありません^^; ←

 

今回、CLIP STUDIO(クリスタ)を使って制作したのですが、
その多機能さにめっちゃ感動しました。

今回漫画を描き始めた時は、
実は、コマ枠の引き方さえ分からないようなところからのお付き合いでしたが、
だいぶ仲良くなれた気がします笑

漫画もデジタルの時代なんだなーと実感(←多分遅いけど)
御言葉聞く前はアナログでやってて、45ページの投稿漫画(※)に半年かけてました。

↑ まぁこの時は博士課程の学生で、日中は大学で実験して論文(英語)書いて、夜遅く帰ってきて夜を明かして漫画描いて…ってやってたので、そんなに制作に時間かけられなかったのもありますが^^;

(※ちなみに、描いた作品は以前のブログでちょこっと紹介してるので、興味あれば覗いてみてください笑
2015年の記事なので、文章がだいぶ若い…笑)

 

 

しかし、今回は58ページを2ヶ月半

 

仕事と衣食住と御言葉聞く時間以外のほぼすべてを漫画につぎ込んだというのもありますが、
デジタルの恩恵が大きかったです。

 

アナログでは間違ったらホワイトで修正して、
しかもホワイトの上ってインク乗りにくいからキレイに修正できなくて、
また時間がかかり…

 

ってやってましたが!!

 

デジタルはCommand+Z!!!一発!!!(*Macを使用)

 

なんて素晴らしいんだ。

あとベクターレイヤーが天才的すぎる(分かる人だけ分かってください)

そしてトーンもめっちゃ豊富!!

 

アナログでやってた時、
手にベタの墨がくっついていたり、
靴下にトーンの切れ端がくっついていたりして、

「あー私、漫画描いてんなぁ」

って実感するのがなんか好きだったので、←笑

それがなくなったのはちょっと残念ですが。

 

でももうアナログには戻れないなぁと思いました。

 

…長くなってきたのでこの話はこの辺にします。

 

さて、漫画制作は(私の中で)大きく3つの段階に分けられます。

①ネーム

②下描き

③仕上げ

  

今回、各段階でやったことがこちら↓

①ネーム:
・ざっくりコマ割りとざっくり絵
・テキスト入力(適当。この時点ではフォント全部同じ)

 

 

②下描き:
・絵の下描き
・セリフによってテキストのフォントを変更
・テキストサイズの調整
・ルビ振り
・ルビサイズの調整(大部分40%設定、メインテキストが大きいところはルビサイズを小さく)
・ルビのフォントをメインテキストに合わせて変更
・「!」「!!」などは斜体に変更(その方が見やすいため)

 

③仕上げ:
・ペン入れ(線画の仕上げ)
・ベタ塗り(黒い部分)
・トーン貼り
・集中線、効果線
・背景

     ↑線画のみ 

     ↑完成版

だいたいこんな感じですね!

 

あとは最後に、ウェブ公開するための加工をしました。
(この辺はちょっと専門的なので読み飛ばしてもらっても大丈夫ですw)

トーンの網目って、そのままウェブに載せると「モアレ」が出てしまうんですよね。

今回のも、書き出したものをスマホで見た時、めちゃくちゃモアレしていて。

これはマズい。。

と思って、解決策を探しました。

 

トーンの網目をなくして、グレーで書き出すという選択肢もあったのですが、

 

やっぱトーンは網目の方がいい!!(THE・こだわり)

 

ということで色々調べた結果、

 

6pxのガウスぼかしを入れると、トーンの網目を残したまま、モアレ回避できる

という裏技を発見!!(参考サイトはこちら

 

さっそく試したところ、本当に回避できました!

 

ちなみに、ぼかしが「4px」や「5px」の場合も試したのですが、
その時はモアレが残ってしまいました。

 

つまり「6pxがモアレ回避のために最適な値である」ということが実証されました。

(理系なんで、こういうの確かめてしまう)

 

今回は仕上げまで終わってから、一気に全ページについてこの処理を行いました。

①網トーンを1つのフォルダにまとめ、
②それを統合してガウスぼかしをかける

という作業なのですが、

そんなに時間かからんだろーと思ってやったら、2時間以上かかりました。笑

 

そもそも58ページあるんだから、1ページに1分だとしても1時間はかかる計算になるのに、分かってなかったですね。笑

 

ここまでやって、ようやく公開する準備が整いました。

そして、公開する前に最終チェックをしました。

・変換ミス
・ルビミス
・ベタ忘れ
・トーン貼り忘れ

などですが、

まぁ出てくるわ出てくるわ…苦笑

ベタとかトーンとかは、もはや私しか気にならないような細かい部分が気になってしまって、いくら修正してもキリがなかったので、途中で切り上げました笑

 

変換ミスはそんなに変なのはなかったのですが、
ルビミスで相当爆笑もののミスがあったので笑

面白いので最後に紹介したいと思います笑笑

 

 

では次に、私が作画で気をつけているポイントをまとめておこうと思います。 

 

一番気をつけているのは「見やすさ、読みやすさ」

いくら良い内容でも、「見にくい、読みにくい」だと、読む気をなくしてしまいます。

 

私がポイントとして考えているのは、

・フォントサイズ(小さいと読みにくい。今回は最低10px)

・吹き出しの位置(読む順番が分かりやすく、自然に読める配置に)

・吹き出し(文字)、キャラ、背景の配置、バランス

・コマ割り

・背景の入れ方

でしょうか。

 

  

吹き出しやキャラクター、背景の配置は、感覚的にやってると思います。
自分でも何度も見直して、読みやすい配置にします。

セリフが長いと、なかなか配置に悩みますね。
文字が多いと読む気をなくしてしまうので。

 

そうそう、編集者の方から、

漫画は文字で説明するのは減らして、絵で説明する(見せる)ように

っていうアドバイスもありました。

なるべく文字(説明)を減らすのも読みやすさのポイントかなと思います。

 

 

では次、コマ割り。ここもポイントですね。

今回はウェブ公開にしましたけど、
一応、本になった時を想定してコマ割りをしています。

 

本だとページをめくりますよね。

ページをめくる時、そのページの一番最後にくるコマ、
つまり奇数ページの一番最後のコマが重要です。

 

読者が読んだ時に、

「次のページが気になる!」
「めくりたい!」
「どうなるの!?」

と思わせるようなコマが来るのが理想です。

 

例えば、今回の「チキュリア」では(以下ネタバレしますが)、

 

 
「テンシーがルグロに向かって銃を構え、撃ったシーン」が奇数ページの最終コマ。
 
そして「アスカルがルグロをかばって撃たれたシーン」が、ページをめくった次のコマになっています。

 

読者が引き込まれるように、
どんどんページをめくって読んでいきたくなるようなコマ割りにするのがコツです。

 

  

そして、背景の入れ方

場面が変わった時などは、
なるべくキャラの立ち位置、位置関係、いる場所が分かるように、
ちょっとカメラ引き目で全体を移すような構図にするようにしています。

背景がちゃんと描かれず、キャラばっかり描いていくと、
どういう状況なのか分からなくて、読者が迷子になってしまいます。笑

 

背景も、むやみやたらに入るのもだめで、
入れないほうがいいコマもあるなと感じます。(この辺、感覚です)

今回も、背景入れたけど結局消したコマがありました。

パース(建物の外観や室内を立体的な絵にしたもの)も頑張ったのであまり消したくなかったですが、
背景あり版、なし版つくって何度も読み返してみた結果、
ない方がスッキリしていました。(感覚ですが、、)

 

 

実は私、背景けっこう苦手です苦笑
パースとか大嫌いです^^;

 

それなのに今回のはお城とか宮殿とか、

大変すぎやないか。

 

特に冒頭のエルデンの宮殿は死にそうになりました。

 

どうやって描いたの?って聞かれたのですが、
クリスタの定規ツールを使いまくって描いています。

 

紫の線が定規ツールで引いた線↑

 

 

中心は揃ってませんwww 適当ですwww
とりあえずキレイに見えたら良いのですwww

※「放射線」定規使えよ、と今では思いますが、このときはクリスタ初心者すぎて直線と曲線の定規しか使えませんでした。

(次は「パース定規」ツールを使いこなせるようになってみたい…)

 

エルデンの内装は、本当はもっと豪華絢爛にしたかったです。
ロシアのエカテリーナ宮殿みたいな。

 

 

 

こんなもん描けるか!!!!!

 

というわけで、ちょっとシンプルにしました。

 

 

また、これは「見やすさ」のポイントとは違いますが、

漫画の冒頭ページもとても重要です。

 

冒頭の1−2ページくらい(かなぁ?適当…)が、<読者が引き込まれるように>描かれていると、
「続けて読もう」って思ってくれます。

「引き」の部分ですね。

 

演劇や映画(※映画館で観る場合)は、
一度観始めるとその内容がすべて終わるまでは観ると思うのですが(←寝ない限り)、

 

漫画は、面白くなかったら途中で読むのやめられてしまうので、
読者を引きつける、引き込むような工夫がとっても必要です。

 

物語の冒頭って、わりと世界観の説明だったりとか、
そういう「説明」の文章が長々ときてしまう場合がありますが、 

漫画でこれをやると、読者は読む気をなくします。

(と、編集者に教わりました)

 

なので今回の漫画も、

もともとの演劇では冒頭に世界観の説明がきていたのですが、
その辺はカットして、

 

「愛する人のために、命まで差し出すことができるだろうか?」

 

という、投げかけの文章を入れるようにしました。
どこまで効果があったのかは分からないですけど。笑

 

 

しかし今回、たくさんの方から「泣けた!!」という感想をいただきました!

原作の演劇がとてもよかったので、
その感動をうまく表現できたのかなと感じて、嬉しくなりました。

 

でも、

描いてる本人は、漫画描きながら、全然感動してません。笑

コマ割りとか画面構成とか色々計算してるので、
全然客観的に読めないし、
ルビミスとかベタ忘れとかの粗探しになる…^^;

 

作者として、そこがなんだか残念です。笑

 

  

それでは最後に、今回のおもしろルビミスをご紹介して終わりますw

まずこれ。(※画像はすべて下描き段階のもの)

 

✕「築(きづ)き」
〇「築(きず)き」

普通に間違えてました。これは普通のミス。

 

 

「起(おこ)こって」

ていうかこれ、このまま公開されてました笑(もう修正しましたが)

読んだ人誰も気づかなかったんだろうか。

 

 

「処理(しゃり)」。

「O」と「A」ってキーボードでめっちゃ離れてるんだけど、なんでこうなった??

意図的に入力したとしか思えん。

 

 

「もう一度(いちぢ)」

「O」と「I」は隣だからね…間違ったんだね、うん。

しかしシリアスシーンでこれか…

 

 

「私(Wたし)」www

「w」入ってる時点で笑えるのは私だけでしょうか。

これもなかなかシリアスシーンなんですが、何でシリアスシーンでのルビミス多いんですかね。

 

 

「逃げ延(ぼ)びた兵士(へいじ)」。

「N」と「B」は隣だね、
「S」と「Z」も近いよね…

でも、
何でシリアスシーンでばっかミスしてるんだ!!!

 

ちなみに、

上記のミスは1つ以外全て仕上げ&最終チェックの段階で見つけたものです。

 

つまり、

下描き読んだ時点では誰一人として気づきませんでした←

 

原作者のWoljeongさん含め、4人くらい読んだはずなのですが。

気づこうよ誰かwwww

 

もし他にも見つけた方がいらっしゃれば、こっそり教えていただけたら嬉しいです。笑

 

 

こんな感じで、色々と面白かった制作過程でした笑

 

描きながら悩んだりもしましたが、完成させてみて、

「本当に描いてよかったな」

と思えたので、よかったです。

 

描いている間は没頭してしまうので、なかなか聖霊様を呼べなかったりするのですが、

聖霊様呼びながらペン入れしたらうまく線が描けたり、
キャラの表情もうまく描けたり。

 

あとは制作途中で伝えられた御言葉でも、

「(今やってることが)御言葉の流れに合ってるな!」

と感じることもあって、力を受けました。

 

共にしてくださった聖三位神様に本当に感謝します。

 

さてさて、長文でしたが、
ここまで読んでくださって本当にありがとうございました笑

これからも神様と共に作品を作っていきますので、応援よろしくお願いいたします^^

 

2020年11月 MiK

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